日本橋東地区は主に江戸時代から伝わる歴史豊かな地域にあって、そのひとつに話芸文化の発祥地という地域の文化資源があります。この『咄の噺(はなしのはなし)』というイベントでは、古典的なイメージが強い話芸文化について、多くの方に古いイメージからの払拭とともに、物語が脈々と伝わって今日に至る伝承と、さまざまな表現によって伝えられてきた、表現の可能性やルーツについて紹介していくイベントです。

 

 『咄の噺(はなしのはなし)』の“咄”という文字は落語や講談など、お話自体に面白みを備えている際に用います。まさに話芸そのものを指しています。そして“噺”という文字は「むかし噺」「おとぎ噺」といった即物的な名称として使われています。つまり『咄の噺(はなしのはなし)』というわけです。

 またサブタイトルにもご注目ください。「新しきコトの出るところ」と配し、前段で紹介した“咄”と“噺”の文字にある、口へんを除いたつくりの部分の文字“新”と“出”を用いて、とんちの効いた国語の面白さを表現しています。

 昨今、日本文化が世界中でブームになっておりますが、意外にも私たち日本人がこうした自身の文化について、認識が乏しいのではないかと思います。この『咄の噺(はなしのはなし)』では、話芸文化のほんの一端にすぎませんが、たくさんの方に触れ合っていただく機会として企画されております。

 

『咄の噺(はなしのはなし)』のルール

●本イベントでは畳を60畳敷きつめた屋外の座敷会場になります。

●お席は自由に空いているところをご利用ください。

●履物はビニール袋をお配りしますので、自己管理のもとイベントをお楽しみください。

●入場料や観覧料は無料にて、いっさい必要ありません。

●飲食をしながらの観覧ができます。他人に迷惑がかからないよう心がけましょう。

●『習』ワークショップの参加は無料です。ご予約にて承ります。※定員になり次第締め切ります。

●枡を500円にてご購入のうえ、会場入口でおつぎするお酒は無料です。ただしおかわりお一人様1回のみとさせていただきます。

●畳のうえでは大声は厳禁です。大人のたしなみがわからない方はご退場願うことがあります。

●今後の振興事業に役立てるためにアンケートを実施しております。忌憚なくご意見をお寄せください。

TATAMI OASISとは

この地域でのイベントで、畳敷の空間を設置する案があります。イベントに足を運んでいただくお客様が、休憩で利用するスペースでもあります。同時に2020年の東京オリンピックにめがけたインバウンド政策として、外国人観光客に対する誘致を目的とした発案となっており、現在関係者による協議が行われております。

日本人の礼節、しきたり、たしなみといった目に見えない文化が外国人にとって、神秘的な魅力に感じているようです。私たちにとってあたりまえの慣習は、この畳の上で行われることも多く、そもそも靴を脱いで座敷にあがるという行為そのものが、外国人にとってたいへん興味深いものに映っているのです。

この畳を地域振興に活用する案として、このたびの『咄の噺(はなしのはなし)』のイベント会場で利用するというはこびとなりました。

■イメージCG(※3月20日の会場は畳が60畳分敷き詰められます。)